東海3県の路線バス事業者紹介
Last Updated: 2018/12/29
※ここでは、道路運送法4条(一般乗合旅客自動車運送事業)許可(旧21条路線・地域公共交通会議での協議に基づく路線を除く)に基づいて路線バス(高速バスを除く)を運行する事業者を紹介しています。
愛知県
岐阜県
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岐阜県最大の路線バス事業者。名鉄系だが、車両のデザインが異なり、他の名鉄系事業者と趣を異にする。
岐阜市内の公共交通の中心を担い、主要道路から狭い道路までを縦横無尽に走る。そのエリアは、各務原市方面、本巣郡方面、関・美濃市などの中濃地区に広がっている。
名鉄岐阜〜郡上白鳥間の高速バス(98年3月改正で一般道経由の特急バスから高速道経由に変更)は速度・乗り心地ともに長良川鉄道を遥かに凌ぐ存在である。
90年代以降、路線整理や運行委託を進めている。美濃加茂地区の一般路線からは95年に完全撤退、大垣地区からは07年9月末に岐垣(ぎえん)線を名阪近鉄バスに譲渡し撤退した。
99年6月1日からは、100%出資の貸切バス会社「岐阜バスコミュニティ」(4月1日に「新東海観光バス」から改称)に対し、各務原地区の一部の路線を移管・委託し、合理化を図った。
岐阜バスコミュニティはその後、自治体や名鉄バスからの委託運行も開始し、さらに06年12月1日には名鉄バスの犬山・鵜沼地区路線も継承した。
一方で、00年4月1日からは、真正町(現・本巣市)の郊外型大規模商業施設「リオワールド」「リバーサイドモール」へ一度に3路線を開業(現在は2路線)し、長距離高速線として01年12月には大阪線、02年11月には京都線(いずれも07年9月1日に岐阜バス観光に路線移管)、08年4月10日に高岡・氷見線、09年3月19日に高山線を開業した。
04年10月1日には名鉄バス岐阜営業所と担当路線を譲受し、高富営業所が新設された。05年4月1日には名鉄600V線代替バス路線を運行開始するとともに、03年4月から3年間にかけて実施された岐阜市営バス路線の譲受も完了(これに伴い、北営業所<御望野>を廃止し、柿ヶ瀬営業所<旧市営バス営業所>を新設)し、岐阜市内の公共交通網の大半が岐阜バスに一元化された。その後、路線網の混乱状態が続いていたが、08年4月1日に新しい行先番号が導入されるとともに、路線網再編がスタートしている。08年9月20日には岐阜大学病院を拠点とする幹線・支線バス実証実験が始まった。
ICカード「ayuca」が06年12月1日に導入され、この地域のバス事業者の導入一番乗りとなった。さらに11年4月より、岐阜大学・病院線直行便に連節バス「清流ライナー」を導入した。
郡上市内は長年、八幡営業所を拠点として岐阜バスの運行が続いてきたが、旧21条路線は01年8月1日に「岐阜バスコミュニティ八幡」に移管された。02年10月1日にはJR東海バス撤退に伴い荘川八幡線を運行開始したが、10年9月30日には美濃八幡線とともに廃止。岐阜・中濃地区と路線が分断された。12年9月30日をもって、郡上地区からは高速バスを除き完全撤退となり、岐阜バスコミュニティ八幡は廃業、八幡営業所も閉鎖された。
2017年4月、岐阜バスコミュニティと岐阜バス観光が岐阜乗合自動車に合併となった。
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名神高速バスを運行する事業者であるが、大垣市周辺(近鉄養老線・揖斐線沿線)において路線バスも運行している。90年代後半はほとんど動きがなかったが、01年9月末で廃線となった名鉄揖斐線・谷汲線の代替バスの運行を引き受け(谷汲線代替バスは05年9月30日で廃止)も行っている。02年度以降、イメージキャラクターの設定を皮切りに新規施策を展開し、03年4月1日には輪之内線・輪之内羽島線を、03年10月1日にはソフトピア羽島線を運行開始した。06年10月1日には揖斐営業所管内の路線を揖斐川町コミュニティバスとして再編、07年10月1日には岐阜バス岐垣(ぎえん)線を譲受した。10年10月1日には輪之内町内の路線を町コミュニティバスとして再編した。
なお、40年にわたって運営を続けてきた伊吹山ドライブウェイは、05年12月22日に日本自動車道株式会社に譲渡された。
近畿日本鉄道の100%子会社であったが、近鉄系バス事業者の再編に伴い、07年10月1日に三交ホールディングス(現:三重交通グループホールディングス)の100%子会社となった。
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多治見市・可児市・恵那市を中心とした東濃地区がエリア。社名には「鉄道」とあるが、鉄道路線は既に全廃されている。
90年代に急速に路線を縮小し、一般路線の名鉄バスセンター乗り入れも95年には休止したが、01年10月20日の高速名古屋多治見線(名鉄と共同運行)運行開始によって再び乗り入れることとなった。一方、土岐市・可児市・串原村・八百津町・上矢作町などで自治体運営バスを委託運行し、過疎地域の足を担っている。
02年2月1日からは、主要鉄道駅から1.2km以内の100円運賃や、500円上限運賃を導入した。
名鉄系であるが、車両には赤とともに、グループ入り以前の塗色である緑色が使用されている。02年度から、旧塗色を復活した車両もお目見えしている。
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旧北恵那鉄道が廃止された後、社名を変更して再出発した会社。名鉄系。旧鉄道路線(中津町<中津川駅前>〜下付知)の代替系統が中心。エリアは中津川市(合併した旧恵那郡北部を含む)で、東鉄バスと濃飛バスのはざまにあり非常に狭い。
路線網の見直しがほとんどない会社であったが、02年2月1日から中津川市内のJRバス全路線を譲受、10月1日にはおよそ10年ぶりとなる大幅ダイヤ改正を実施した。00年12月1日から濃飛乗合と共同で下呂温泉・中津川線を運行したが、乗客が少なく、04年11月25日をもって廃止となっている。
08年10月1日より、濃飛バス中津川営業所路線を譲受し、中津川市内路線の大半が北恵那交通となった。以前は乗合のほか貸切、タクシー、トラックを兼営していたが、現在は乗合専業となっている。
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飛騨地区に路線を展開している。名鉄系。高山から奥飛騨温泉郷・下呂・白川郷への観光路線が主で、他はローカル路線である。
高速道路網整備に合わせて高速・特急バスの展開を進め、97年の安房トンネル開通時に高山〜松本間、高山〜東京(新宿)間を運行開始したのを皮切りに、00年3月に高山〜京都・大阪間、さらに00年10月には高山〜名古屋間、高山・白川郷〜金沢間を運行開始した。08年7月には高山〜白川郷間高速バスを増発している。
一般路線では、99年11月1日に飛騨古川駅・飛騨小坂駅・飛騨萩原駅・下呂駅からの近距離100円運賃を実施(00年6月1日からは高山駅からも実施)
、さらに「エコパス」「悠々手形」や、03年度からの乗鞍スカイライン乗用車乗り入れ規制に対応したシャトルバス運行など、着実に新規施策を実施している。06年4月1日には、それまでの高山市内循環バスを改編し「さるぼぼバス」を運行開始した。
以前は中津川市内にも路線を有し、00年4月7日に営業所を移転新築したが、08年9月30日をもって営業所を閉鎖し、管内の路線を北恵那交通に譲渡した。11年3月1日に、高山市地域公共交通総合連携計画に基づき、高山市内の路線バスを再編、市営バスの全面委託を受けた。
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岐阜バスの郡上地区路線撤退に合わせ、郡上市白鳥地区を拠点に路線バスを運行し、路線を広げている。10/10/01より郡上市コミュニティバスとして白鳥ひるがの線を運行開始し、11/03/01には桜の郷荘川前に延長して白鳥荘川線に改称。12/04/01に郡上八幡白川郷線を自主運行開始。さらに12/10/01より郡上八幡白鳥線を岐阜バスより譲受し運行開始。
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岐阜バスの郡上地区路線撤退に合わせ、2012年10月1日より和良線・明宝線を岐阜バスコミュニティ八幡から譲受し運行開始。
三重県
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三重県内のほとんどをカバーする路線バス事業者。特に主要都市の津・四日市・桑名市内には細かな路線網を持っているとともに、周辺部へのバス路線も充実している。
96年、ドル箱の名古屋〜桑名・四日市方面の住宅団地間の高速バスが、従来の名鉄バスセンターに加え、名古屋都心の栄にも乗り入れを果たした。
また、フリー乗降方式を全国で初めて採用するなど、先駆的事業者でもある。路線設定もニーズに合わせて細かく練られていることが評価できる。
近鉄系で、もともとはナロー路線を含む鉄道も持っていたが、近鉄との調整により、三重県内の鉄道は近鉄、バスは三交が受け持つことになった。
したがって三重県内に近鉄バスは存在しない。伊勢・二見・鳥羽周遊バス「CANばす」をはじめとする伊勢志摩の観光路線もすべて三交が担当する。愛知県内でも、海部郡の近鉄名古屋線以南は三交のエリアであり、名古屋市内にも路線がある。98年12月からは名鉄と共同運行で四日市〜名古屋空港間特急バスを運行開始し、05年2月17日の中部国際空港開港後は桑名・四日市・伊賀からの路線を運行するとともに、津駅〜津なぎさまちのシャトルバスや、伊勢湾フェリーの鳥羽〜(フェリー搭載)〜中部国際空港間リムジンバスの三重県内委託運行も含め、県内からのアクセスを担当した。しかし、現在は四日市・津以外は廃止となった。
過疎路線を対象とした合理化も進めており、99年度から三交タクシーへの運行委託を始め、00年10月20日には、伊勢・南紀管内の一部路線が子会社の三交伊勢志摩交通・三交南紀交通へ譲渡された。現在では、県内の大半のコミュニティバスをグループで受託している。なお三江南寄港通は14年2月1日に三重交通に合併した。
06年10月2日に、三重交通株式会社と三交不動産株式会社が共同持株会社「株式会社三交ホールディングス」(現:三重交通グループホールディングス)を設立し、三重交通もその子会社となっている。
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三重交通グループの小規模貸切バス事業者。路線バスとしては以前は幾つかの路線を運行していたが、1996年からは南紀特急バスを三重交通と共同運行するのみであった。2018年10月1日の南紀特急バス各停化と同時に、三重交通シャープ線を譲受し運行することとなった。
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鉄道とともに、四日市駅始発の路線など、数系統のバス路線を持っている。また、四日市市からの路線バス運行委託も請け負っている。鉄道では03年4月1日より、近鉄が廃止を表明していた北勢線を譲り受けたことが話題となったが、バスについてもスクール新路線運行開始など積極策を展開している。
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三重交通グループの小規模事業者で、近鉄桑名駅前から志知・南金井への路線ほかを持つ。基本の車両塗色は三交カラーであるが、最近、デザインバスを積極的に導入している。
定期券の宅配サービスや、子供運賃均一100円を一時試行するなど、小粒でもキラリと光る事業者である。
05年2月17日からは三重交通と共同でマイカル桑名〜中部国際空港の運行を開始したが、08年9月30日限りで廃止となった。06年12月20日から、赤尾台・正和台〜名古屋高速線を運行開始し、名鉄バスセンターに乗り入れたが、2008年4月1日からは三重交通の路線(八風バスが運行受託)となった。
福王神社の大祭日および正月3が日に運行していた桑名駅前〜福王山系統は06年6月に廃止となった。
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