加藤博和の「路線バスリサーチ」
第4回(追加) 東浦町のバス路線 その後
First released: 01/10/29
Last updated: 02/12/03(東浦町担当者様のコメントを追加しました)
東浦町内の路線バスは、「路線バスリサーチ」で取り上げた後に、大規模な改編が次々に行われました。そこで、公約どおり、この改編によって町内の路線が「路線バスとして存在する意味がある路線」「使える路線」にどの程度近づいたかについて分析してみましょう。
2001年10月1日改正について(01/10/29追加)
2001年10月1日より、「東西連絡バス」が「町運行バス『う・ら・ら』」に生まれ変わるとともに、知多バス大府線も系統が再編されました。
1.「東浦町運行バス『う・ら・ら』」運行開始
※東浦町運行バスの公式HPは、こちらをご参照ください。
a) 路線:緒川駅・イオン付近の経路が遠回りなのが問題
私が案として示していた「新田・健康の森線」とほぼ一致する路線となりました。森岡台付近も、不便な南森岡台経由でなく、森岡自然公園経由として団地内を縦断しており、評価できます。
私の案と1箇所だけ異なるのは、緒川駅とイオンの順序が逆になっている点です。私がこの順序にしたのは、鉄道アクセスは商業施設アクセスと比べて速達性・定時性が求められることと、緒川駅での鉄道への乗り継ぎは森岡側からでなく新田側からが想定されることが理由でした。
しかし、緒川駅西口からイオンに抜ける道路が現在未整備であるため、順序が逆になることは仕方ないと言えます。また、結果的にイオン〜緒川駅間も、緒川旭町経由という遠回りの経路を余儀なくされています。この付近は区画整理が進行中ですので、やがては道路が整備され、遠回りの経路も解消されることになると思われます。
あいち健康プラザ〜中部病院間は、従来の知多バスのように公園中央・大府養護学校を経由せず、バス専用道によって短絡しています。これは悪いとは言いませんが、運行開始日の第1便に乗車した時、運転手がわざわざ降車してバス専用道の出入口の鎖を外すのを見て、その有効性に疑問を感じてしまいました。
うがった見方をすると、大府市内を路線が経由しないための方便のようにも見えます。
b) ダイヤ:110〜115分ヘッドでは分かりにくい
問題はダイヤです(時刻表はこちらを参照)。私の提案では2両で60分ヘッドとしましたが、実際のダイヤでは1両のみということで、平日110〜115分ヘッドとなっています。
120分ヘッドにすれば分かりやすいのですが、この路線は緒川小学校の登下校に使われるため、その時刻との調整もあってこのダイヤとなったようです。当然ながら、平日昼間30分ヘッドのJR武豊線とダイヤの整合もとれていません。この分かりにくいダイヤが改善されないと、時刻表を見ないと使えないということになって、住民への定着に障害が起きることになります。
全線の運行時分は45分となっており、特にラッシュ時にはこの時間で走れるかどうか懸念がありましたが、運行開始日の第1便は8分遅れで済み、折り返しダイヤまで影響が出ることはなさそうです。
なお、東ヶ丘付近では知多バス東ヶ丘団地線と同様の右回り経路となっていますが、東ヶ丘マルスに着いてから待機し、改めて東ヶ丘集会所発となる形をとっていて、団地内を2周するダイヤとなっています。遅延の影響を防止する意味があるのかもしれませんが、この1周の5分間を節約することは可能ですから、この点も再検討の余地があるでしょう。
c) 停留所の位置と施設:全く不十分
停留所は、従来の東西連絡バスや知多バスに比べて増設が行われ、森岡地区を中心に位置も改善されています。
ただし、現状では待合施設が全く整備されておらず、2時間近い運行間隔にもかかわらず、待つのは非常に苦痛です。主要な停留所である役場・イオン・緒川駅・中部病院も、全く整備が行われていません。地元や施設の協力も得て、停留所の整備を進める必要があります。
バスでのアクセスが期待されるイオンや町立図書館(役場東)の最寄り停留所が、施設の近くにできなかったことも減点です。停留所位置が悪いのであれば、せめて施設からの案内を整備するべきですが、それも全く行われていません。このような漫然とした走らせ方では、せっかくの投資がムダになってしまうでしょう。
それから、細かいことですが、停留所ポールが道路方向に並行して置かれていることも気になります。隣の大府市巡回バスもそうですが、この置き方では、道路を走行・歩行している人からは見づらく(現に運転手も見落としがあった)、バスのPRになりません。こういうダメなことを隣の自治体から真似るのはやめにしたいものです。
d) 乗り継ぎ:無意味な運賃割引
JRとの乗り継ぎが全く考慮されていないのは前述の通りです。緒川駅バス停も、中部病院行きは駅のすぐ前にありますが、東ヶ丘行き停留所は経路の関係で少し離れており、分かりにくい位置にあります。駅を利用する一般客にバスの運行を周知するために、停留所位置を少しでも目立つところにするのは重要なことですが、残念ながらそれができていません。
一方、町運行バスがカバーしていない町南部の藤江・生路・石浜方面から知多バスを利用して町運行バスに乗り継ぐ客には、町運行バスの往復が無料となる乗り継ぎ券の発行が行われることとなりました(逆方向からは不可)。しかし、知多バスと町運行バスとで場所が共通の停留所が存在していないのは致命的です。
乗り継ぎ停として、知多バス「東浦町役場前」と町運行バス「役場東」、「緒川駅口」と「緒川公民館」が指定されていますが、いずれも少し離れています。また、「緒川旭町」は共通停留所ですが、石浜方面と中部病院方面との乗り継ぎは停留所が反対側になっています。
本来は、町運行バス運行開始を機に、知多バスも緒川駅またはイオンに乗り入れて、町運行バスとの結節点も確保するべきでしたが、知多バスの見直しは全く行われませんでした。むろん、接続ダイヤも全く考慮されていません。これでは、いくら乗継割引制度があってもほとんど無意味です。
町運行バスの運行開始によって、緒川駅口〜中部病院間でほぼ並行する知多バス東浦線(大府駅西〜中部病院〜緒川駅口〜石浜住宅)は2002年3月末廃止が確定し、10月改正で1日1往復に減便されました。しかし、上記のように乗り継ぎが整備されていないため、それまで直通だった石浜住宅方面から健康プラザ・中部病院方面へは大幅に不便になってしまいました。
2002年4月以降は、知多バス刈谷・石浜住宅線と刈谷・半田線のイオン乗り入れと乗り継ぎダイヤの確保が必須です。
「東浦町運行バス『う・ら・ら』」の発車式
会場の東ヶ丘集会場には、大雨にもかかわらず多くの人が集まった
『う・ら・ら』の第1便が中部病院に到着
2.知多バス大府線の路線再編
知多バス大府線は、もとは名鉄バスの路線であったものが、加木屋管理所管内の知多バスへの全面移管(1999年10月1日)に伴って知多バスの路線となったもので、その後「げんきの郷」への乗り入れ開始(2001年2月1日)によって一度路線が再編されています。
今回の再編では、先に述べた東浦線の廃止確定に伴う大減便によって路線確保が必要となった森岡台を新たにカバーするとともに、大府老人ホーム経由系統の廃止によって、複雑だった系統を以下の2系統に整理したものです。
・大府(C)線:大府駅西→中部病院→あいち健康プラザ→げんきの郷→あいち健康プラザ→大府駅西
・大府(循環)線:大府駅西→中部病院→あいち健康プラザ→森岡台→大府駅西
私の案は、大府駅西〜森岡台〜あいち健康プラザ〜げんきの郷の系統と、大府駅西〜中部病院〜あいち健康プラザの系統に分離するというものでしたが、実際の状況を見ると中部病院への利用が多いことから、2系統とも中部病院を経由する上記の設定はより合理的であると言えます。大府線ということで東海管理所(旧:名鉄バス加木屋管理所)担当となり、バスカードも利用可能となりました。
ダイヤが、朝夕は森岡台系統中心、昼間はげんきの郷系統中心となっている点も、需要に合うものであり、評価できます。従来の東浦線ではカバーしていなかった森岡台への通勤・通学需要も、大府駅西着700、756、831の3本が設定されるとともに、最終も大府駅西発2107となり、格段に便利となりました。森岡台系統は昼間ほとんど運行されていませんが、町運行バスが運行されているため、イオン・中部病院や緒川駅への便は確保されています。
あとは、森岡自然公園前〜森岡台間に停留所を増設すること(町運行バスは「森岡台集会所」停を設けている)によって、森岡台からの利便性をより向上することが課題と言えます。
2002年5月1日改正について(02/05/02追加)
東浦町運行バスは、JR緒川駅東口の駅前広場完成に合わせて、2002年5月1日にダイヤを改正し、一部経路を変更いたしました。これによって、上記の問題点がどの程度解消されたかについて検証してみます。
「a) 路線:緒川駅・イオン付近の経路が遠回りなのが問題」について
緒川駅東口駅前広場完成とあわせて、駅東口(イオン側)から西口に抜ける道路も通行可能となり、結果的に緒川旭町経由の遠回り経路を解消することができました。イオン東浦〜緒川公民館間の所要時間は5分から4分へとわずかな短縮ですが、実際には渋滞や信号待ちの影響が緩和されることで、ダイヤの安定性が大きく増しているものと思われます。
結果的に、新田方面から緒川駅へのアクセスと、森岡方面からイオン・役場へのアクセスが改善されました。
なお、緒川旭町は廃止となりましたが、乗降が非常に少ない停留所であり、緒川公民館や緒川駅東口でも十分カバーできます。
「b) ダイヤ:110〜115分ヘッドでは分かりにくい」について
新ダイヤ(時刻表はこちらを参照)では、基本的に120分(2時間)ヘッドに改められました。これによって、覚えやすいダイヤになるとともに、JRとの接続パターンもそろうことになりました。
緒川駅における新田方面とJR大府方面との接続をチェックすると、緒川駅東口→JR緒川は16分、JR緒川→緒川駅東口は10分接続となっています。バスの定時性を考えれば、バスから鉄道への接続時間を長くしているのは妥当と言えますが、現在の定時性確保状況や、緒川駅での乗換必要時間を考えれば、やや長いように感じます。
「c) 停留所の位置と施設:全く不十分」について
新たに乗り入れた緒川駅東口とげんきの郷は、それぞれ停留所がいい位置に設置されています。
緒川駅東口は、バス停留所が2バース設けられており、その1バースを町運行バスが使用します(もう1バースは知多バスが使用する予定)。停留所には屋根が設けられ、駅とつながっていないのが残念ではありますが距離は近接しており、非常に分かりやすくなっています。さらに、駅構内にバス案内がほしいところです。
げんきの郷も、知多バスや大府市巡回バスと同じ「めぐみの湯」の前に停留所があり、分かりやすくなっているといえます。
なお、停留所ポールが道路方向に並行して置かれ、道路を走行・歩行している人から見づらかった点については、設置スペースが許す限りで改善が進んでいるようです。このような改善はすぐにできることのように感じますが、行政はとかくなかなか動かないものなので、改善を行っていること自体評価すべきことでしょう。
「d) 乗り継ぎ:無意味な運賃割引」について
町運行バスと知多バスとの乗り継ぎ点としてベストなのが緒川駅東口であることは言うまでもありません。しかしながら、知多バスも5月1日にダイヤ改正を行ったものの、事情により緒川駅東口への乗り入れは実施されていません。
近日中に緒川駅東口・イオンに乗り入れる予定になっており、既に、緒川駅口に掲出されている改正時刻表に記されている停留所名は「イオン東浦店前」と先取りされています。乗り継ぎの問題は、この経路変更が実施された後に改めて論じる予定です。
2002年7月20日、10月1日改正について(02/11/05追加)
東浦町内では、2000年7月20日に知多バスの経路変更・停留所追加が、また2002年10月1日には町運行バスの1路線追加が相次いで行われました。
1.知多バスの経路変更・停留所追加
7月20日より、知多バスの刈谷石浜住宅線および刈谷半田線が緒川地内で経路変更されました。具体的には「緒川駅口」経由を廃止し、「緒川駅前」(東口)・「イオン東浦店前」経由に改めたというものです。
また同時に、「芦間」(東浦中学校前〜石浜)・「生路前田」(JA生路支店前<「JA東知多生路支店前」から改称>〜生路)・「藤江北」(生路〜渡船場口)が新設されました。
このうち経路変更に関しては、もちろん望ましいものではありますが、前述のとおり東浦町運行バスより経路変更が遅れたことはマイナス点です。
イオン経由とすることによって乗客増が見込めることは東浦町運行バスで十分証明されていたわけですし、イオンラッピング車が走っていながら、車内掲示で「イオンへは緒川駅口・東浦役場前が便利です」と遠い停留所しか案内できないという情けない状況でしたので、ようやくという感じがします。
それはともかく、東浦町運行バスと同一位置にありながら、異なる停留所名をわざわざつけた意図が全く理解できません。
「東浦役場前」と「役場東」の違いは許せるとしても、「緒川駅前」は「緒川駅」でも問題ないはずですし、「イオン東浦店前」に至っては、イオン東浦ショッピングセンターやジャスコ東浦店はあっても、イオン東浦店というのは存在しませんから、おかしな付け方です。
分かりやすいバス路線網とするためには、同一位置停を同一名称とするのは基本的事項です。
停留所増設に関しては、それまでかなり間隔が空いていたところが解消されたという点で評価できますが、問題として、車内や他停留所でのPRが不十分であったことが挙げられます。私の知る限り、近くに停留所ができたのに、従来の遠い停留所にわざわざ歩いていた人がけっこういたようです。
せっかく改善したのですから、派手にPRするべきでしょう。
2.東浦町運行バス2号線の運行開始
10月1日より、町運行バスの新規路線が運行を開始し、従来の路線が「1号線」、新しい路線が「2号線」となりました。
2号線の経路は、私が以前案として考えていた「藤江・刈谷線」を刈谷でなく中部病院行きとした形になっています。刈谷方面は知多バスが存在するためです。
「う・ら・ら2号線」の発車式
1年前と同様の大雨の中、平池台バス停前で行われた
<経路>
目を引くこととして、a)南藤江から平池台へ乗り入れた点、b)東浦駅に乗り入れた点、c)東和荘・桜見台経由として知多バスとの競合を避けた点、d)取手・半ノ木経由として1号線と経路を変えた点、が挙げられます。
a)については、もともと平池台は公共交通超不便地区であり、住民の要望も強いところでしたので、カバーされたと思われます。また、平池台から藤江小学校への通学にも利用されることになりました。
しかし、もともと公共交通不便地区であったということは、住民が自動車利用に慣れきっていることを意味します。今回の運行開始によって住民の意識改革が起こらないと、今後の状況は厳しいと考えます。
b)については、平池台・荒子団地・ふじが丘といった、東浦駅徒歩圏の外にある地区からの乗り継ぎが期待できますが、2時間ヘッドの運行ですし、人口も多くないことから、それほどの量にはならないと思われます。
なお、東浦高校への通学利用も可能ですが、ふだんは東浦駅の徒歩圏内です。雨天時等にはぜひ利用してほしいと思います。
c)は、遠回りの経路である上に沿線人口が少ないため厳しいところですが、国道に知多バスが運行している以上は仕方がない設定といえます。ふじが丘付近は今後の人口増加が予想されるため、新住民にこの路線の存在を意識してもらうことが必要と考えます。
d)は、現状で1号線の緒川駅以北の需要が少なく、2号線を同一路線にして頻度を倍にする意味が考えられないことから、適当な設定だと思っておりましたが、実際に乗車したところ、ドミー前〜半ノ木間で交通渋滞が激しく、特に朝には定時運行が難しいことが分かりました。
この点で問題を残しているといえます。
<ダイヤ>
1号線と同様、平日・土休とも2時間ヘッドが基本となっています。これ自体は問題ないのですが、1号線との関係は必ずしも良くありません。
例えば、平日について、緒川駅での中部病院行きのダイヤは、1号線が8・10・12・14・16時の各00分発、2号線が8・10・12・14・18時の各30分発であり、30分・90分ヘッドとなっています。
一方、中部病院での緒川駅方面行きは、1号線が8・10・12・14・16時の各30分発、2号線が8・10・12・14・16・18時の各58分発で、28分・92分ヘッドです。
最も分かりやすく使いやすいのは、当然ながら両路線を交互にして60分ヘッドにすることですが、そうはなっていません。
この理由として、平池台から藤江小学校、鰻池から緒川小学校へのスクール便の設定による制約が考えられます。
すなわち、平池台からの登校のためには発を8時頃(7:56)にしないといけないことや、今回新たに設定された1号線の役場16:24発鰻池行き(2号線の車両で運行)の時刻設定が先にあって、2号線のダイヤをそれに合わせる必要があったことが挙げられます。
しかし、これらを考慮した上で役場〜中部病院を60分ヘッドにする方法もなくはありません。例えば、平池台発1便はダイヤはそのままでふじが丘から平池台に戻り、平池台8:26発として再び中部病院に向かえば、緒川駅発が30分繰り下がって60分ヘッドになります。
そうすると鰻池行きが16:54発となってしまい、小学校下校便としては遅くなってしまいますが、現行のように平池台15:58発役場16:22着(この便はイオンに行っていないので実質使われにくい)を折り返すのでなく、中部病院14:58発(が30分繰り下がる)を鰻池行きとすれば役場発が16:00となって現行の16:24に近い時刻になります。
さらに、2号線を2分繰り上げれば緒川小学校南発は15・16・17時各00分発にそろいます。もちろん、小学校の時間割は60分単位ではありませんから、バスの60分ヘッドとの整合がとれないことも考えられますが、バスのダイヤの分かりやすさから考えれば、分かりやすい60分ヘッドにするための努力は必要と考えます。
なお、60分ヘッドにすることによる副次的効果として、役場で1号線中部病院行きと2号線平池台行き、1号線東ヶ丘マルス行きと2号線中部病院行きが接続するということが挙げられます。
つまり、平池台方面と東ヶ丘方面との乗継利用が可能になります。これは現在の30・90分ヘッドでは実現できないメリットです。
<ダイヤ>
東浦駅が駅前に乗り入れた点(多少は雨に濡れる位置なのが惜しい)や、知多バスと停留所位置が共通になっている点は、基本に忠実な設定となっています。
両路線共通の停留所として、役場〜役場東間に「図書館北」が追加されました。役場停がやや小高いところに、役場東停が信号交差点東にあって、その間にある中央図書館や文化センター、周辺の病院等へのアクセスがやや不便であったのが解消されました。
<乗継と運賃>
2号線も1号線と同様、1乗車100円となっています。また、回数券・定期券は共通利用が可能です。緒川地区〜げんきの郷・健康プラザ・中部病院間では両路線が利用できますから、この設定は当然といえます。
ただし、1号線と2号線との乗継割引はありません。これは、平池台方面と東ヶ丘方面との乗継利用はもともとあまり想定されず、ダイヤも前述のとおり乗継は考慮されていないためです。
もし乗継可能なダイヤを設定する場合には、乗継割引を設けることも考えられましょう。
一方、当初から存在していた、知多バス刈谷・石浜住宅線の藤江・生路・石浜方面から東浦町運行バスへ乗り換える場合の乗継割引制度は現在も継続されていますが、2号線運行開始で南藤江〜生路間や石浜住宅から100円で直接中部病院に行けるようになったことから、制度の存在意義がかなり減少してしまいました。
ただし、接続ダイヤに関しては、2号線開業による本数増加もあって、ダイヤ的には緒川駅・イオンでかなりの便が数分間での接続を実現しています(接続が完全に保証されているかどうかは不明です)。このことは評価されるのですが、せっかくの接続ダイヤや乗り継ぎ券も、PRしなければだれも知らないままであり、機能しません。
東浦町または知多バスが乗り継ぎ時刻表を作って掲出・配布するか、さもなくば制度そのものをやめた方がいいと思います。
なお、乗り継ぎ券制度を実施するのであれば、現在はむしろ、東ヶ丘・新田地区から刈谷方面の知多バスへ乗り継ぐ場合の方が意味があるようにも思えます。
2号線は1号線に比べて需要が少ないと考えたのか、マイクロバスでの運行となっていますが、私の予想では、特に藤江・石浜地区〜役場・イオン間では需要が大きいと思われます。
しかしながら、並行する知多バスから乗客を奪うことになる可能性もはらんでおり、特に補助金なしで運行している刈谷駅前〜石浜住宅系統の存在は微妙な立場に立たされる可能性があります。単純に2号線の状況に一喜一憂するだけでなく、知多バスの状況にも目を光らせる必要があるでしょう。
(02/12/03追加)
このHPの記述内容に関しまして、東浦町運行バスの担当者様からコメントをいただき、議論させていただく機会を得ました。その内容のうち、特記すべき部分をここで紹介させていただきます。
<担当者様の主なご意見>
・現行の東浦町運行バスのダイヤは、緒川小学校・藤江小学校の通学に使えることを前提条件として組んだものである。この前提条件を崩すことはできない。
・加藤の提示したダイヤ案には次の点で問題がある。
a)平池台7:56発の1便は、現在、役場方面への通し需要が少なからず存在する。利用者を見ると、これらの需要は8:26発ではカバーできない。そもそも8:26発という設定は、通学・通院・買物のいずれにも中途半端であると考えられるので変更すべきでない。
b)緒川小学校南16:25発は、緒川小学校の時間割からみて、帰宅便として最も適当な時刻である。これを16:00発に繰り上げると帰宅に使えなくなってしまう。
・中部病院〜役場間60分ヘッドについては、ダイヤ検討時には全く考慮しなかったし、現在でも考慮すべき必然性があるとは考えていない。60分ヘッドにすることで利便性が向上するとは思えない。
・1-2号線の乗り継ぎダイヤ・運賃は、需要を考えると無意味であると考える。
緒川小学校・藤江小学校通学便としての対応と、平池台7:56発便の存続を考えると、私の案に修正が必要となります。また、「60分ヘッドによる利便性向上」に関しましては、利便性ではなく分かりやすさ・覚えやすさからくるものであり、できればそうすべきであると考えます。
また、1-2号線の乗り継ぎに関しましては、需要がほとんど考えられないというのは全く同意見ですが、その論理で言えば、現在はたくさんの利用がある東浦町運行バス自体、事前には需要がほとんど考えられなかったとも言えるわけで、乗り継ぎが可能になれば需要は出てくるものと考えます。
もちろん、路線バスにあらゆる条件をすべて詰め込むことができないのは自明です。東浦町ではスクールバス利用を重視している以上、その需要に合ったダイヤを設定するのは当然のことです。
ただし、ダイヤについて再度検討してみた結果、日中60分ヘッドをベースとしつつ上記の条件を併せ持つダイヤ設定は可能であるという考えに至っております。東浦町運行バスは現状で安泰ではなく、近い将来、知多バス路線も含めた再検討が必要になる時期が確実にやって来るでしょう。
その際には、需要に対応しつつ、より分かりやすいダイヤ設定を目指す必要があると考えます。
利用状況ですが、1号線は約17人/便(通学を除くと約14人/便)、2号線は13人/便(同じく11人/便)と好調で、1号線は増加を続けているとのことです。この成績は、愛知県内のコミュニティバスではかなり高いレベルにあります。
また、新設された図書館北についても、役場と肩を並べるほどの利用になっているとのことです。
私は、これらの路線はもっと乗客数を伸ばせると考えています。ぜひ継続的な改善を続けていただき、町民や利用者にとって役に立つ公共交通機関として育ってほしいと願っております。
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