マイナーバスを抜け出した路線バス

Last updated: 21/06/03
 減便の究極形とも言えるマイナーバスは、その大部分は後に休廃止に追い込まれます。しかし中にはまれに、増便によってマイナーバスから脱却する路線もあるのです。しかし、その路線の維持が安泰になったかと言えば、むろんそうではありません。

1.

事業者:名古屋鉄道
担当営業所:知立
区間:前後(ぜんご)〜三崎町〜日進木材前〜横根〜大府駅前<大府線>
純粋にこの系統だけの区間:三崎町〜日進木材前
00/10/31限りで廃止されました。


2.(98/04/01改正)

事業者:東濃鉄道
担当営業所:八百津(やおつ)
区間:八百津駅前〜八百津車庫前〜関電前〜展望台〜めい想の森口〜久田見〜福地<久田見線>
平日[往/復]:1/1
土曜(第2・4除く)[往/復]:1/1
第2・4土曜、休日[往/復]:1/1
純粋にこの系統だけの区間:久田見〜福地
コメント:
 マイナーバス東鉄−3,5と同様の、朝出て夕方帰るパターンの路線で、福地に車庫がありました。東鉄−5とともに、時刻表では八百津駅前行きでしたが、そのまま八百津高校前まで行っていました。
 98年4月より、42条バス・マイクロ運行の「コミュニティバス802(やおつ)」に移行し、同時に久田見・福地地内区間運転ができたため、全区間2往復以上になりました。バス停も増設されました。(路線図参照)福地発9時台となり、高校通学ダイヤではなくなっています。
   この路線は、ずっと昔は福地から潮見口を経て篠原まで走っていました。いったん廃止された後、98年4月に福地〜蔵橋(2区間)がいきなり復活しました。これは追分〜福地〜蔵橋間という福地地内のみの運行で、診療所が福地に開設される木曜日のみ運転でしかも2往復という、限りなくマイナーバスに近い路線です。
 さらに、99年4月からは、同じ八百津町21条バス北山線が福地から篠原まで延長され、蔵橋〜潮見口(〜篠原)間も復活しました。ここも2往復以上で、マイナー区間ではありません。


3.(02/09/01変更)

事業者:東濃鉄道
担当営業所:土岐
区間:下川戸〜上論栃〜佐々良木(ささらぎ)〜釜戸平山<折り返し>〜佐々良木〜上論栃〜滝上〜神徳口〜釜戸郵便局前<釜戸=佐々良木線>
釜戸小学校登校日[往/復]:1/1
釜戸小学校休校日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:佐々良木〜三郷平間以外全部
コメント:
 下川戸・釜戸平山発が朝の7時台、釜戸郵便局前(釜戸小学校そば)発が午後4時台という、純然たるスクール便で、掲出時刻表にも以前は「釜戸小学校スクール便」と書いてありました。
 98年3月以前は、こちらの路線図に示すように、釜戸平山〜佐々良木〜神徳口〜常磐口<折り返し>〜神徳口〜釜戸郵便局前の運行でした。 折り返しの常磐口は、道路が行き止まりになっていて、停留所の前には廃屋が1軒ありました。谷あいの非常に狭いところで、バスが折り返せるかいつも不思議に思っていました。
 98/04/01より、廃止代替バス(21条バス)に移行するとともに、詳しくはこちらの路線図に示すように経路が変更されました。 それとともに、常磐口〜滝上間(1区間)は休止され、常磐口停には「滝上バス停をご利用ください」と掲出されました。 一方、新規区間の上論栃〜滝上間には常磐口に相当する仮停(東鉄時刻表には「論栃」と標記されている)が新しく設置されましたが、その周りにも人家は見当たりません(現在は「仮論栃」という停留所名がつきました)。 また、下川戸〜上論栃〜釜戸平山間は東鉄時刻表には掲載されていませんが、現地の停留所には時刻が掲出されていました。
 さらに、00/04/01から、経路が釜戸郵便局前→ゴルフ学校前→釜戸平山→上論栃→滝上→神徳→釜戸郵便局前の循環右回りに変更されるとともに、1日2便の運行となり、マイナーバスの定義からは外れました。 また、路線名も釜戸=平山線に変更されました。下川戸〜折戸間(上論栃を除く)のバス停は休止され、上論栃へは「論栃」仮停から入って折り返すルートとなりました。 また、「論栃」仮停からさらに手前の恵那市との境界近くにも仮停が設置されました。これには「鳩吹」という名前が付いているそうです。
 02/09/01より、同一行路で運行されている東鉄−旧1・旧2とともに、委託運行が東濃鉄道から平和コーポレーションに変更されました。


4.

事業者:東濃鉄道
担当営業所:土岐
区間:土岐市駅前〜浅野〜小田町〜明世温泉口〜瑞浪駅前<瑞浪=土岐線>
平日[往/復]:1/1
第1・3・5土曜[往/復]:1/1
第2・4土曜、休日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:浅野〜明世温泉口
09/04/04より再びマイナーバスとなりました。


5.

事業者:東濃鉄道
担当営業所:可児
区間:多治見駅前〜県病院〜小泉8丁目〜北丘団地〜大森口〜旭ヶ丘10丁目<旭ヶ丘=小泉線>
平日[往/復]:1/1
土曜[往/復]:0/0
休日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:北丘団地〜根本駅前〜大森口
09/04/03限りで廃止されました。


6.(17/04/01更新)

事業者:岐阜乗合自動車
担当営業所:岐阜
区間:城田寺(きだいじ)団地〜正木<城田寺岐南町線>
平日[往/復]:1/1
土曜[往/復]:1/1
休日[往/復]:1/1
純粋にこの系統だけの区間:この区間すべて
コメント:
 城田寺岐南町線にはもともとマイナーバス岐阜−5がありましたが、こちらは01/04/01改正で新たに運行開始したものです。途中停留所はありません。城田寺団地1015発、正木1230発というダイヤで運行していました。 正木には岐阜市内有数の郊外型ショッピングセンターである「マーサ21」があり、そのアクセスのために自治会が走らせていた契約バスを定期バス化したものです。この区間は距離的には近接しているものの、道路が最近までなかったためにバス路線がありませんでした。
 02/04/01改正から、土曜・休日も運行されることになりました。そして、04/10/01より平休とも2往復となりました。さらに、06/07/01からは正木〜金華橋通り柳ヶ瀬〜JR岐阜が延長されています。さらに16/04/01から、城田寺団地線の日中時間帯は正木マーサ前を起終点とする循環系統(岐阜駅方面は他路線に乗換)となり、昔のマイナーバスの面影はなくなってしまいました。


7.

事業者:平和コーポレーション
担当営業所:土岐
区間:<往路>大湫(おおくて)支所前→竜吟(りゅうぎん)団地口→大湫口
   <復路>瑞浪駅前→鶴城(かくじょう)→名滝橋→釜戸郵便局前→大湫口→竜吟団地口→大湫支所前<釜戸=大湫線>
釜戸小学校登校日[往/復]:1/0
釜戸小学校休校日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:釜戸郵便局前〜大湫支所前
コメント:
 大湫は旧中山道の宿場ですが、現在では見る影もない山村です。バスもこの1往復だけです。
 98/04/01より、瑞浪市自主運行バス(21条バス<貸切代替バス>)に移行し、専用の小型バスで運行するとともに、<往路>が運行開始しました。
 <復路>しかなかった時は、東鉄−旧2とともに存在理由がよくわからない系統でした。 瑞浪駅前発17時台であること(釜戸郵便局前発1751で、スクール便にしては遅い)、釜戸小学校登校日運行であること、大湫に小学校があることから、スクール便ではなく、路線維持のための運行という状況でした。
 しかし、改正後は、釜戸中学校スクール便(大湫には中学校がない)の位置づけになりました。 <往路>の大湫支所前710発はやや時刻が早い印象を受けますが、部活動をするのでしたら適当な時間かもしれません。 大湫口(718着)から釜戸郵便局前に回送し、「マイナーバスから抜け出した路線バス」3の釜戸=平山線となって(720発)循環経路をたどり、釜戸郵便局前に755に戻ります。さらに釜戸郵便局前800発で瑞浪駅前に向かい、その後は東鉄−旧2の運行を行います。
 夕方は、「マイナーバスから抜け出した路線バス」3の運行(釜戸郵便局前1615発1650着<12〜2月は10分遅くなる>)を行った後、いったん瑞浪駅前に回送して、<復路>が運行されます。
 02/09/01より、委託運行が東濃鉄道から平和コーポレーションに変更されました。さらに、03/04/01の路線再編時に増便となり、現在に至っております。


8.

事業者:平和コーポレーション
担当営業所:土岐
区間:瑞浪駅前〜鶴城(かくじょう)〜名滝橋〜釜戸郵便局前〜釜戸駅前<釜戸=大湫(おおくて)線>
釜戸小学校登校日[往/復]:1/1
釜戸小学校休校日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:釜戸郵便局前〜釜戸駅前
コメント:
 東鉄−旧1と同様の瑞浪市自主運行バス(21条バス)で、釜戸小学校登校日のみの運行ですが、釜戸駅前着944、発945というダイヤで、この路線自体がスクール便として使われている訳ではありません。 00/03/31までは、釜戸郵便局前発800、瑞浪駅前発840というダイヤでした。東鉄−旧1で紹介した路線が757に釜戸郵便局前に着き、これがそのまま瑞浪駅前行きとなっていたものです。 さらに瑞浪駅前到着後、折り返しで釜戸駅前に向かい、釜戸駅前到着後は瑞浪駅前まで回送されるという、存在意義が不明な系統でした。
 現在は、「マイナーバスから抜け出した路線バス」3の釜戸=平山線が755に釜戸郵便局前に着き、これがそのまま瑞浪駅前行き(800発)となります。 瑞浪駅前821着のあと、「瑞浪市コミュニティバス」として1循環(瑞浪駅前845発915着)し、その後瑞浪駅前〜釜戸駅前間を1往復(瑞浪駅前発920着1009)します。(したがって、従来はなかった釜戸駅前発ができました。) その後さらに「瑞浪市コミュニティバス」循環線となって2循環し、1730(12〜2月は1700)発で大湫支所前に向かうという行路です。いずれにせよ、このマイナーバスが存在価値の不明な運行であることには変わりありません。
 8.と同様、02/09/01より、委託運行が東濃鉄道から平和コーポレーションに変更されました。さらに、03/04/01の路線再編時に増便となり、現在に至っております。


9.

事業者:濃飛乗合自動車
担当営業所:神岡
区間:中山〜本郷〜田谷公民館前〜国府診療所前〜高山バスセンター<本郷線>
平日[往/復]:1/1
土曜、休日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:田谷公民館前〜国府診療所前
コメント:
 02/04/08改正でマイナーバスとなりました。本郷線は高山から本郷(上宝支所<旧役場>)を経て神岡に向かう路線で、運行は高山〜本郷系統と田谷〜本郷〜神岡系統に分かれ、その前者がマイナーバスとなったわけです。02/04/08改正以前は高山営業所の担当で、朝夕各1往復の運行でしたが、現在は神岡営業所担当となり、朝の高山方面行きと夕方の本郷方面行きが走ります。02/12/01改正で、本郷発着から中山(見座)発着に変更されています。国府地区と上宝地区の境にある大坂峠は、特に国府側が険しい道のりです。
 06/08/01より高山市地域バス国府・上宝線(国府公民館前〜本郷〜見座公民館前、濃飛バス21条)が運行開始(平日運行、1日3往復)となり、本郷線は神岡〜田谷公民館前の運行となりました。


10.

事業者:名鉄バス
担当営業所:名古屋
区間:名鉄バスセンター〜栄〜引山〜四軒家〜長久手高校前〜尾張旭向ヶ丘<本地ヶ原線>
平日[往/復]:1/1
土曜[往/復]:1/1
休日[往/復]:1/1
純粋にこの系統だけの区間:長久手高校前〜市民プール前〜北山町
コメント:
 名鉄基幹バスにもマイナー系統ができました。尾張旭向ヶ丘系統は、00/10/01に新設されて以来、1時間に1本程度のダイヤで長久手高校前から尾張旭中央通りを左折するルートを通ってきましたが、04/04/01に尾張旭市内線の藤ヶ丘〜みどりヶ丘〜旭団地系統が廃止になり、みどりヶ丘付近を上記系統でカバーすることになったため、元の市民プール前経由のルートは1往復のみとなりました。
 その後、08/07/01に平日4往復・休日3往復運行となり、マイナーバスから脱却しています。利用頻度を見ての措置ということです。


11.(13/09/01更新)

事業者:東濃鉄道
担当営業所:多治見
区間:多治見駅前→弁天町→北高西門前→北高正門前→弁天町→多治見駅前<多治見市内線>
多治見北高校登校日:1
それ以外:0
純粋にこの系統だけの区間:弁天町→北高西門前→北高正門前→弁天町
コメント:
 多治見北高校は私の出身高校なのですが、この系統には一度も乗る機会がありませんでした。 高校の近くに住んでいて徒歩通学していたためですが、実際にもこの路線は雨でも降らない限りあまり利用されていません。 というのは、このバスを使わなくても多治見駅から徒歩で20分以内で着いてしまうからです。実感として、いまだに運行されているのが不思議な路線です。
 運行は朝のみで、多治見駅を805に発車し818に帰ってくる循環(右回り)路線です。北高西門前は、現地バス停では「多治見北高」と表記されています。 また、北高正門前にはバス停が立っていません(東濃鉄道時刻表には時刻<812>が記載)。理由として、西門前の方が校舎に近い上に停留所も手前にあり、利用客のほとんどがここで降りてしまうことが考えられます。
 02/02/01より、多治見駅前〜北高正門前間の運賃が160円から100円となりました(現在は170円になっています)。
 その後、多治見市ききょうバスおよびセラパークバス(現在は廃止)が多治見北高に停車し、厳密な意味でのマイナー区間はなくなりました。
 そして、13/09/02より多治見市内線は北高正門前から多治見サービスセンター(トヨタ自動車の施設)に延長したため、路線バスとしてもマイナーバスではなくなりました。個人的に大変うれしいです。


12.(15/10/01改正)

事業者:濃飛乗合自動車
担当営業所:神岡
区間:飛騨市民病院〜伏方(ふせかた)公民館前〜流葉温泉〜山田細川前<神原線>
平日[往/復]:1/1
土曜、休日[往/復]:0/0
純粋にこの系統だけの区間:寺林保木前〜伏方公民館前〜西公民館(新西公民館前)
コメント:
 この区間は00/05/08から運行を開始しました。病院アクセスを主目的とするものですが、飛騨市神岡町中心部にも出ることができます。飛騨市民病院(旧・神岡町病院)・ケアホスピタルたかはら(旧・たかはら病院)を発着点とする運行は他にもあり、合併前の神岡町時代には4条路線ではありますが神岡町の補助で運行し「すこやかバス」という愛称が付けられていました。
 マイナー区間は、地図上では従来の国道ルートの北側に近接しているように見えますが、実際にはかなりの高低差があり、かつ住宅も国道沿いより多く存在しています。病院アクセスに対応したきめ細かい路線設定であると言えます。
 西公民館バス停には、このマイナーバス専用の「新西公民館前」バス停が並んでいます。なぜ名前を変えなければいけなかったのかは不明です。
 02/09/01より、寺林保木前〜寺林寺前間で経路が変更されました。今度は、国道の南側にある寺林の集落内をカバーするため「寺林公民館前」を新たに経由することにしたのです。この区間もむろんマイナー区間です。 寺林保木前のところの交差点を左に曲がり、集落内(寺林公民館前)を経てから国道へ出たところを右折(神岡方面)し、今度は左折して伏方公民館方面へ向かうというものです。
 さらに、03/04/07改正で、柏原船坂前〜杉崎の峠越え区間がマイナーバスに加わりました。この区間は、02/04/08改正で古川駅前〜上野中間の町内運行が廃止されて神岡方面2便、杉崎方面2便に、02/12/01改正でマイナーバス濃飛−3の運行がなくなって神岡方面2便、杉崎方面1便に、そして03/04/07改正で、朝の神岡方面1便が残るのみとなりました。この時の運行系統は、往路が古川駅前→杉崎→上野中→柏原船坂前→西公民館→伏方公民館前→寺林保木前→飛騨神岡駅→西里(にっさと)→飛騨市民病院、復路が飛騨市民病院→神岡(林タバコ店)→西里→飛騨神岡駅→寺林保木前→伏方公民館前→西公民館→流葉温泉→柏原船坂前というものです。
 05/06/20より、飛騨市巡回バス(猪谷〜宮川振興事務所〜河合振興事務所〜飛騨市役所前〜古川駅前〜神岡振興事務所〜飛騨市民病院〜神岡商工会議所、濃飛バス21条)が運行開始となり、柏原船坂前〜杉崎の区間は神原線と重複することとなりました。そのため、この区間の濃飛バス路線は06/03/31をもって廃止となり、06/04/01より飛騨市民病院〜伏方公民館前〜流葉温泉〜山田細川前に運行を短縮した結果、マイナー区間は伏方公民館前付近のみとなりました。
 15/10/01に飛騨市内のバス網が大きく再編され、このマイナーバスは飛騨市営バス「ひだまる」柏原線となりました。その際に3往復となりましたが、路線バスとしては廃止になりましたので、本来はここに載せてはいけないかもしれません。その後運行は続いています。


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